必聴!今週末5/23(土)夜21時は金森さん×小㞍さんによるインスタLIVE♪

『春の祭典』『FratresIII』本公演が来夏まで延期されるなどし、世を覆い尽くす不自由さに辛抱を強いられるなか、オンラインへの露出機会が増えている金森さん。この間よく口にされておられる「今、できること」「今、何ができるか」そして「今だからできること」といった数々のポジティヴ思考の言葉たちに慰撫され、教えられるところ、大なるところな訳ですけれど、この週末にはなんとも魅力溢れるインスタLIVEの報が届きました。Dance Base YokohamaのTwitterからのお知らせです。

このような状況下にあっても、常に前を向き、歩みを止めない金森さん、この度は何を語るか、小㞍さんとのトークは楽しみ以外の何物でもありませんよね。皆さま、ゆめゆめお見逃し、お聞き逃しのありませぬよう。

(shin)

Noismかく語る・2020春④ - Noism2の若き8名

ご好評を頂きましたこの度の「Noismかく語る・2020春」も今回が最終回。今日はNoism2の若き舞踊家たちの初々しい声をお届け致します。このあと控える『春の祭典』と延期された定期公演の前に、予習しておく絶好の機会となることでしょう。あなたが気になる舞踊家は誰でしょうか。それではどうぞ。

⑫ 森加奈

観に来てくださる方々に期待以上のものをお見せできるよう精進して参りますので、応援のほどよろしくお願い致します。

Photo: Noriki Matsuzaki

(もりかな・1996年千葉県生まれ)

⑬ 池田穂乃香

先輩の皆さんと一から作品を創るという事が初めてなので緊張の毎日です。サポーターズの皆様、観に来てくださる皆様の心に残る踊りが出来たらと思っています。

Noism2の公演は延期となってしまいましたが、その分、作品の理解を深め、更に良いものをお届けしたいです。

Photo: Noriki Matsuzaki

(いけだほのか・1998年新潟県生まれ)

⑭ カナール・ミラン・ハジメ

今は、『春の祭典』の公演に向けて練習しています。今まで誰も観たことのない『春の祭典』に仕上がるのがとても楽しみで、無事に本番を迎えたいという気持ちと本番が近づいてくるという緊張感に胸が踊らされているような気がします。

音取りがとても複雑で、ルードラにいた頃に取り組んでいたパーカッションのクラスと同じぐらいか、それ以上に難しいレベルです。このクリエーションで自分がそれだけ難しいことに取り組んでいたのがわかって、学校(ルードラ)に感謝です。

今は毎日楽譜とにらめっこしながら音を聴き、どれだけ音を拾えるかの戦いです。もっと楽譜が読めるようになって、音の取り方を覚えたいです。分からない時は音符の配列で覚えるようにしています。とても斬新で面白い作品になるので楽しみにしてください!

Photo: Noriki Matsuzaki

(Khanal Milan Hajime・1996年東京都生まれ)

⑮ 杉野可林

Noismに入って2年目。

今年は昨シーズンより身体の感覚を少し掴めてきた実感があります。

前回の公演とは違う、殻を破った姿をお見せ出来ますように。

Photo: Noriki Matsuzaki

(すぎのかりん・1996年大阪府生まれ)

⑯ 長澤マリーヤ

この2年間でやってきた事や想いを舞台にぶつけていきたいです。

応援よろしくお願いします。

Photo: Noriki Matsuzaki

(ながさわまりーや・1998年神奈川県生まれ)

⑰ 橋本礼美

日々積み重ねている稽古や創り上げていく作品に対し、色々な視点をもって、常に新鮮な気持ちで取り組むように努めていきたいです。

Photo: Noriki Matsuzaki

(はしもとれみ・1997年埼玉県生まれ)

⑱ 坪田光

Noismに入って初の定期公演、日々の稽古の成果を発揮できるよう、努力に努力を重ねます。

Photo: Noriki Matsuzaki

(つぼたひかる・1999年兵庫県生まれ)

⑲ 中村友美

Noism、新潟。”初めて”が沢山な日々。

いつも応援ありがとうございます。

皆様の前で踊れる日を楽しみに、日々精進します。

Photo: Noriki Matsuzaki

(なかむらともみ・1997年大阪府生まれ)

以上、Noism2のメンバーでした。彼らには『春の祭典』と定期公演を終えた後の思いなども聞いてみたい気が致します。

さて、4回に渡ってお届けしてきた「Noismかく語る」ですが、如何でしたでしょうか。このタイトルは今後、似たような機会が巡ってきましたら、再び、皆さんのお目にとまることもあるかと存じます。今はいつとも知れぬそのときを楽しみにしつつ、一端、これにて閉じさせて頂きます。

そして現在、何より待ち遠しいのは「劇場解禁」の報。その日まで、一日千秋の思いで過ごしておられる皆さま、どうかご自愛のほどお祈り申し上げます。

(shin)

Noismかく語る・2020春③ - Noism1メンバー後編

あらゆるものが遠のき、見慣れた日常が一変してしまった感のある日々。未曾有の春の災厄の向こう、まだ見ぬ光輝に満ちたNoism版『春の祭典』へと私たちを誘ってくれるNoismから届いた言葉。3回目となる今回は、Noism1メンバーの後半というかたちで、5人をお読み頂きます。

スティーヴン・クィルダン

現在、私たちは『春の祭典』のリハーサルとクリエーションのさなかにいます。これはとても面白く複雑に込み入った音楽です。実際、私は以前にマーク・ボールドウィン(Artistic Director of Rambert Dance Company:2002-2018)によるヴァージョンを踊ったことがあります。偶然にも元Noismダンサーの浅海侑加さんとも一緒に踊りました。何年も前のことですが。

それから再びこの曲に戻ってきて、異なる解釈を体感することはとても面白いことです。音楽に合わせて強度をもって動くことは楽しいことです。その瞬間、大きな絵の中のほんの小さな一部になるのみです。私はその絵がどう仕上がるのか知りたくてなりません。更に、観客の皆さんがこの作品から何を得るのかも知りたくてなりません。現時点で、踊る私の目に映ずるものからはそれらはまったく想像もつきません。深く作品の中に入り込むことで、私に見えるものは画されてしまうからです。

また、『Fratres III』も踊ります。こちらに関しては、私たちは素材を学び始めたような、それでいて、常に未知のものででもあるかのような、そんな感じがします。他のメンバーは『Fratres I』を踊っていますが、私は出ていませんし、最善を望む気持ちです。

最後に、今、世界は奇妙な時間の中にあります。英国を離れて、封鎖された街の人々、友人、家族や仲間を見ながら、世界の反対側にいる自分が今も活動できていることには憂鬱な気分もつきまといます。それは芸術について数多く自問することにもなりましたが、一方で、寛大にも多くのものがオンラインで共有されている現状には心温まるものがあります。 

(日本語訳:shin)

*スティーヴンさんによる元原稿(英語)はこちらです。

Currently we are in the rehearsals and creation of the rite of spring. This is a very interesting and complicated piece of music.

Actually I previously danced a version of Rite of Spring by Mark Baldwin. This happen to be with Yuka-san(ex noism dancer), many years ago.

It is very interesting to then come back to the music and feel the different interpretations.

It is fun to be working intensely with the music.  At the moment I am but a small part in the big picture. I am curious as to how that picture will be. I am also curious about what the audience will get from the piece. I really have no idea at the moment from my perspective. Being so inside a piece can create this perspective.

Also we will do Frates III, which I have some sense of as we have begun learning some material but it will also be new. Whilst others were in Frates I before, I was not. I hope for the best.

Ultimately this is a strange time in the world. Being from the UK, seeing people, friends, family and colleagues in lockdown whilst I am on the other side of the world still working has been melancholic. It has made me question a lot about the arts but seeing so much being shared online so generously has warmed my heart.

Photo: Noriki Matsuzaki

(イギリス生まれ)

タイロン・ロビンソン

今、この時期にあって、芸術を支えることはかつてないほど重要なことになっています。土地の文化、そして過去と未来は、その土地の人々が創り出す芸術やパフォーマンスによって形作られる性質のものだからです。ですから、Noismの作品が作り続けられるのなら、その土地の、そして同胞の支えが必要なのです。ダンサー、実演家、或いは芸術家としての私たちが目指すものは、私たちのクリエーションを共同体にもたらし、私たちの情熱を一般の人々と共有することです。芸術とはあらゆる人を迎え入れる家族のようなものです。そして、私はいつかNoismがダンスと共同体の連結を成し遂げ得るカンパニーになることを願うものです。コロナウイルスによるパンデミックが過去のものとなったとき、全ての人を再び結びつける役割を果たすものは芸術でしょう。ですから、皆さん、どうか芸術を支えてください。今、芸術を死なせないでください。どうか宜しくお願いします。 

(日本語訳:shin)

*タイロンさんによる元原稿(英語)はこちらです。

Now during this time, it is more important than ever to support the arts. A county’s culture, both past and future is heavily shaped by art and performance that its people create. So if the work of Noism is to continue it needs the support of its county and its fellow countrymen. As dancers, performers and artists our goal is to bring our creations to the community and to share our passion with the public. The arts are like a family that welcomes everyone and I hope Noism will some day be the company that can bring dance and the community together. When the COVID-19 pandemic passes it will be the arts that will reunite everyone, so to everyone please support the arts, and don’t let it die now. Kindest Regards

Photo: Noriki Matsuzaki

(オーストラリア生まれ)

鳥羽絢美

様々なカンパニーや振付家によって使われ、創られ、踊られてきた『春の祭典』。そんな楽曲にNoismメンバーとして挑むことができること、嬉しく思うと共にとても身の引き締まる思いです。皆様に届けられる日を心待ちにしながら、日々稽古に励みます

Photo: Noriki Matsuzaki

(とばあやみ)

⑩ 西澤真耶

「『春の祭典』のクリエーション」穣さんはじめNoism0+1+2の22名が“音“をテーマに真摯に向き合っているこの作品がこの先本番までにどのように仕上がっていくのか、そして本番を重ねどこまで進化していくのか、私達にもわからない。まさに実験舞踊…?

Photo: Noriki Matsuzaki

(にしざわまや)

三好綾音

ストラヴィンスキーの音楽は、一瞬眉を潜めてしまうけれど、しばらく経つと虜になっていて、気がつくと嵐が去った後、騒いだ血の感覚だけが残っている様な。そんな感じがたまりません。しかし、この曲が書き下ろされた当時のダンサー達はどんなに戸惑っただろうと、リハーサル中はそんな苦労も想像します。(笑) 音楽史、舞踊史共に大きなインパクトを残してきた『春の祭典』で新たな創作に関わる機会に恵まれ、とても光栄に思います。是非、楽しみにしていてください。

Photo: Noriki Matsuzaki

(みよしりお)

さてさて、連載最終回の次回は、フレッシュなNoism2のメンバーをお届けします。森加奈さん、池田穂乃香さん、カナール・ミラン・ハジメさん、 杉野可林さん、長澤マリーヤさん、橋本礼美さん、坪田光さん、そして中村友美さんと、ドド~ンと一挙に8名を掲載いたします。どうぞお楽しみに。

(shin)

Noismかく語る・2020春② - Noism1メンバー前編

前回、Noism03名からのメッセージをお届けしましたが、この度は、Noism1前編としまして、6名を掲載いたします。全国に「緊急事態宣言」が拡大し、緊張感が増した夜にあって、いっとき、少しでも不安や緊張が緩和されましたら幸いです。新作『春の祭典』に纏わる思い、コロナ禍に寄せる思い、是非ともお読みください。

池ヶ谷奏

いよいよNoism版『春の祭典』かとワクワクしています。スコアナンバーが200もある楽譜、はじめは暗号だらけで追うこともできず、楽譜の読める父にメールで尋ねたり必死でした。

今では「ここに16分休符があるから…」とか「5.5.3.5.4…」と電話番号のように変拍子を覚えたりして、聞こえる音以上に情報が増えました。リズムを理解することでより動きと一致してきたように思います。

新潟に来て10年目。

今は簡単に人と会えない・集まれない・触れ合えないという、舞踊の人間にとっては致命的な状況が広がっています。

誰もが不安で、未来は誰にも分かりません。私は今できることを全うし、そして勝手に10周年記念公演と思って、感謝も込めて全力で踊り切ることができるよう精進します。

Photo: Noriki Matsuzaki

(いけがやかな)

ジョフォア・ポプラヴスキー

『春の祭典』は私にとって常に踊ることが出来たらと願っていた作品でした! その音楽はエネルギーに満ち、その入り組んだ複雑さはダンサーと空間の間に信じ難い化学反応をもたらしてくれます。

私は穣さんがそれをどのようにして彼自身の芸術的な宝に仕立てていくかワクワクしながら目にしていて、自分がその一部となる機会に恵まれたことを幸福に思っています! 

(日本語訳:shin)

*ジョフォアさんによる元原稿(英語)はこちらです。

Le sacre has always been a piece I wished to be able to dance! The music is full of energy and its complexity brings incredible chemistry between dancers and space.

I’m so excited to see how Jo-san will make it his own art treasure and happy I have the chance to be part of it!

Photo: Noriki Matsuzaki

(フランス生まれ)

井本星那

今回のクリエーションでは音楽から思いを、動きへと、ひとつひとつ紡いで繋がっていくような、そんな感覚があります。

目まぐるしく世界が変化する中、人との繋がりが切れてしまわないように、思いやりの大切さに日々気付かされます。新潟の皆さまとまた繋がれる日を楽しみに、毎日稽古に取り組んでいます。

Photo: Noriki Matsuzaki

(いもとせな)

林田海里

役割を演奏されている楽器ごとに与えられる実験的な創作を、楽譜をなぞるのに苦戦しながら楽しんでいます。皆でこの『春の祭典』を奏でる様に踊りたいです。

Photo: Noriki Matsuzaki

(はやしだかいり)

チャーリー・リャン

今、世界中の誰もがとても疲弊していることは間違いのないことだと思います。コロナウイルスが原因で、あらゆるものが突然にキャンセルされたり、延期されたりしています。ただただ日々の生活や将来のことが心配でなりません。あらゆることが可能な限り早期に快方に向かうことを望んでいます。皆さんが私たちの公演を観に来てくださる日を心待ちにしております。 

(日本語訳:shin)

*チャーリーさんによる元原稿(英語)はこちらです。

I believe that everyone in world now is very exhausted recently. Because of coronavirus, everything was cancelled or suspended suddenly. Just being worried about our life or future. Hope everything will get better as soon as possible. I’m looking forward to everyone can come to watch our show.

Photo: Noriki Matsuzaki

(香港生まれ)

カイ・トミオカ

2020年の年頭から、Noismで私たちは新作公演『春の祭典』のクリエーションに集中して取り組んできました。これまでにも世界中で多くのカンパニーによる多くのヴァージョンとヴァリエーションが創られ、踊られてきました。そして私もこの象徴的な音楽の体験を楽しんできました。昨シーズン、私は『ラ・バヤデール -幻の国』と『カルメン』を踊りました。どちらも再演でしたが、Noism1、Noism2のダンサーたち、言うならばNoismファミリーが総出演する物語形式の大作でした。そして今度は、Noism1メンバーに加え、新たに立ち上げられたNoism0とともに新作のクリエーションの過程にいることはとても楽しい体験となっています。この『春の祭典』は、先に触れた2作のように必ずしもすっきりした物語を持つものではありませんが、抽象的な物語とストラヴィンスキーによる音楽の解釈との間に興味深いバランスが形作られることになります。私たちはカンパニーとして、時間をかけてこの作品のクリエーションにあたることを許され、とりわけ、コロナウイルスのために、今、世界中が体験しているこの不確かな期間にあってさえ、踊り続け、クリエーションを続けることができることをとても光栄に思っています。 

(日本語訳:shin)

*カイさんによる元原稿(英語)はこちらです。

From the start of the year of 2020, we at Noism have been focused on the creation of our new performance, ‘the rite of spring’. There have been many versions and variations of this piece created and danced by many companies all over the world, and I have enjoyed my experience thus far of this iconic score of music. Last season I performed in “La bayadere” and “Carmen”, both of which are full Length narrative works that were created previously involving the whole of the Noism family, dancers from Noism1 and Noism2.  It has been an enjoyable experience being part of a new creation process together with Noism1 and the newly formed Noism0. While not necessarily a straightforward narrative work like the previously mentioned works, ‘the rite of spring’ strikes an intriguing balance between an abstract narrative and an interpretation of the music by Stravinsky. We as a company are privileged to have this long period of time to create this work, and in this period of uncertainty the whole world is experiencing right now due to the coronavirus, we are very privileged to be able to continue dancing, crafting and creating as we are now. 

Photo: Noriki Matsuzaki

(イギリス生まれ)

連載3回目となる次回は、Noism1後編としまして、スティーヴンさん、タイロンさん、鳥羽さん、西澤さん、そして三好さん(準メンバー)を掲載いたします。引き続き、ご期待ください。

(shin)

*ポートレートのクレジットに誤りがございましたので、訂正させて頂きました。ここにお詫び申し上げます。

Noismかく語る・2020春① - Noism0 金森穣・井関佐和子・山田勇気

まったく先を見通すことのできない新型コロナウイルス禍にあって、Noism2定期公演の延期に続き、オープンクラスのプレオープンが中止を余儀なくされたのに加え、サポーターズとしましても、好評発進したばかりの「ランチのNoism」の取材を控えざるを得なくなるなど、世界がすっかりその様相を一変させた感が強いこの頃ですが、Noismの全メンバーからサポーターズの皆さまに向けたコメントが届きました。今回より全4回の予定で掲載して参ります。題して「Noismかく語る・2020春」。まずはNoism0の三人からどうぞ。

■金森穣

この文章を読んでいる今、皆様が、そして皆様の身の周りの方々が、健やかで愛の裡にあることを願います。

世界中が同時に、その社会基盤からこれほど揺さぶられる日々を、一体誰が予測できたでしょうか。

日々ニュースで為政者や医学者たちが警告を鳴らす“3の密”は、そのまま舞台鑑賞の状況に符合します。

それでも尚、日々己の身体と向き合い、鍛錬を続け、私たちNoismは未来に向けて創作を続けています。

舞踊家とは、己の生命の危機を感じれば感じるほどに、その身と向き合う覚悟が決まる生き物だからです。

舞踊とは職業ではなく、生き様だからです。舞踊芸術とは平和な時代の娯楽ではなく、魂の叫びだからです。

その叫びを共有して欲しい。だから今はただ、その時が再び来ることを信じ、私たちは稽古を続けています。

その時が来たら、皆様に最上の、この忍従の日々を補って余りあるほどの感動を届けるために。

どうぞ皆様、お身体ご自愛ください。お会いしましょう、劇場で。

Photo: Kishin Shinoyama

(かなもりじょう・Noism芸術監督)

■井関佐和子

今回のクリエーションは生涯忘れる事の出来ないものになると思う。

人生でまさかの時代を生きる事になった。それは皆さんが同じように感じている事だろう。

その「まさか」はいつどこに潜んでいるか分からない。明日はどうなっているのか分からない日々を過ごしながら、ひたすら創作をする日々。

そして毎日毎日稽古をしながら、ひたすら幸せを噛みしめている。

踊れることの幸せ。それを許される環境。現在を生きていることの幸せ。

ネガティヴな状況でネガティヴなことを思うだけではなく、明らかに日々をポジティブに生きられている今、本当に感謝しかない。

皆さんの健康を願って…この創作を続けていく

Photo: Noriki Matsuzaki

(いせきさわこ・Noism副芸術監督)

■山田勇気

Noism2の定期公演が延期になり、ご迷惑、ご心配をおかけしています。

今はメンバー総動員で、『春の祭典』の創作に勤しんでおります。集団の中に入って共に身体を動かし、影響し合うことがとても刺激的です。互いに尊敬しあえるグループへと成長していくことも、創作の一部であると考えています。

この非常事態の中、舞台芸術、複製できない「この場所」「この時」でしか味わえない体験の存在意義が問われています。リスク回避と効率化はもともと相性の良いもので、それが遠隔技術の発展によって現実に可能となり、これからさらに必要とされていくでしょう。

私たちはリスクが高く、効率の悪い場所で、創作して、表現しています。人間の身体がその場所です。私たちは身体から離れません。離れていってしまうまでは、身体と一緒です。舞踊とは根本的には、そのようなことを表現するのだと思います。多様な身体の在り方、関わり方を通して。

そしてそれは、生身の体験として、深く人に影響を与えるものだと信じています。

Photo: Noriki Matsuzaki

(やまだゆうき・Noism2リハーサル監督)

皆さま、如何でしたか。ご堪能いただけましたか。次回もどうぞお楽しみに。

(shin)

*ポートレートのクレジットに一部誤りがございましたので、訂正させて頂きました。ここにお詫び申し上げます。

こちらも興味深い、Noismオープンクラス(プレオープン)♪

前日、ふたつのツイートをご紹介いたしましたが、本来なら、3つを取り上げるべきところだったことに思い至り、ここに改めまして、もうひとつビッグイヴェントを紹介させていただきます。

Noismオープンクラス、プレオープンです♪

クラスは4つ。

どなたでも参加いただけるクラスはふたつ。①「こどものためのからだワークショップ」:対象・小学生~中学生、どなたでも。(*保護者の参加も可:要参加費)

そして、②「大人のためのからだワークショップ」:対象・高校生以上、どなたでも。

舞踊経験者を対象としたクラスもふたつ。③「Noismバレエ」:対象・中学生以上、舞踊経験3年以上。

そして、④「Noismレパートリー」:対象・中学生以上、舞踊経験3年以上。

4月~5月は、プレオープン期間として、全クラス500円のおためし価格での開講とは、実に格安!否、激安!

3月28日(土)より受付開始だそうです。

Noismが日々追求することで、手にし得た「身体知」。その一端を体感する絶好の機会です。これもまた、まがうことなき新潟発の「文化」。そしてとりもなおさずそのままに「市民還元」の機会。どなたか、潜入レポート、もとい、体験レポートをあげてくださることを期待しております。

(shin)

大変なこの国の今、新潟から文化を発信すること

拡大の止まない疫病の猛威に、各所で我慢を強いられている感が強いこの頃、皆さま、お元気でお過ごしでしたでしょうか。かく言う私も「一斉休校」の大きな混乱の渦中に投げ込まれ、目も回る年度末を一日一日どうにかこうにかやり過ごしております。どうか皆さま、ご自愛ください。

さて、そんななか、タイトルにも記しましたように、ここ新潟から Noism Company Niigata が文化の香りをお届けするふたつのコンテンツをご紹介いたします。

いずれもTwitterからのご紹介ですが、以下をご覧ください。

BSNの特別番組は、新潟だけでなく、全国で視聴できるようになるといいのですが…。

そして、柳都会の方は5月半ば。その頃には混乱も収まっていて欲しいものです。

ともあれ、新潟から点される文化の灯火に是非ご期待ください。

(shin)

Noism2公演 7月に延期

3月6,7,8日に予定されていたNoism2公演が7月に延期になりました。残念ですが楽しみに待ちましょう。

■Noism2定期公演vol.11

7/10(金)19:00

7/11(土)14:30/18:00

7/12(日)14:00

※全4回

「当初5公演 → 4公演に変更となるため、3月の公演チケットは払戻しになります。

チケットの払い戻し、延期公演のチケット発売日につきましては、詳細が確定しだい、Noismウェブサイトにてお知らせとなります。

ご購入のチケットについては大切に保管をお願いいたします。

※3月公演のチケットは7月公演にはお使いいただけませんのでご留意ください。」

Noismウェブサイト:

【公演延期のお知らせ】Noism2定期公演 vol.11

https://www.ryutopia.or.jp/information/news/15157/

(fullmoon)

Noism2定期公演vol.11 公開リハーサルに行ってきました!

春まだ浅い2月末。陽が差したり、曇ったり、雪が舞ったりと、冬の終わりらしいお天気の新潟市。

2/27(木)、りゅーとぴあスタジオBでのNoism2公開リハーサル(メディア+活動支援)に行ってきました。

■プレスリリース:https://noism.jp/noism2定期公演vol-11-プレスリリース/

Noism2リハーサル監督 山田勇気さん4年ぶりの新作となる『黒い象/Black Elephant』!

見応えあります!!

「研修生」とは言わせないゾ!という、メンバーと山田監督の意気込み・気迫が伝わってきます!

それもそのはず、現在のNoism2メンバーは、今年21歳(1名)、22歳(2名)、23歳(2名)、24歳(3名)になる8名です。まだまだ若いですが年齢的には大人。いつまでも、青春まっただなか、ではいられません。

これまでホワイトのイメージが強かった山田勇気Noism2ですが、今回はブラック。

これまでとは違う、大人なNoism2を感じました。 ぜひご堪能ください!

■山田勇気さん囲み取材より

「暗闇の象」「群盲の象」の故事を現代社会のことのようにずっと感じていた。創作のきっかけではあるものの、象は比喩。

・真実はひとつなのか、たくさんあるのか。

・黒い空間の中でいかに人間が光るか。

・触れること、見ること、を意識して創作した。

・黒い布を被っての移動はゾウではなくゴースト(お化け)。

・四つん這いの動きは動物というよりは、理性とは逆の本能的なもの。

・本番までの課題としては、今やっていることに対して、どのくらい理解し、感じているかということ。無意識に動いている時が多い。ある程度骨格ができたので、自分も含め、何をやっているのかわかって踊れるように熟していきたい。

・今のメンバーとは、お互いに特に遠慮もなく、自分と距離が近いと思う。

・創作を4年間休んでいたので、今回は落ち着いてやりたいことをやれた。

・音楽は、William Basinskiの「On Time Out of Time」。(ブラックホール同士の衝突をイメージした音楽だそうです。神秘的な曲。)

物事の本質を突いてくる、山田勇気さんの新作。メンバー一人ひとりの熱演も見どころです。どうぞお楽しみに!

同時上演の、山田勇気演出、金森穣振付Noismレパートリーは、劇的舞踊『ホフマン物語』、『Nameless hands ―人形の家』、 『NINA―物質化する生け贄』 より。こちらも楽しみですね♪

◆Noism2定期公演  https://noism.jp/npe/noism2_teiki_vol11/

3/6金 19:00 (前売チケット完売)

3/7土 14:30/18:00

3/8日 13:30/17:00  ※全5回

会場:りゅーとぴあ スタジオB

料金:2,000円(入場整理番号付自由席)

問い合わせ:チケット専用ダイヤルTel: 025-224-5521(11:00-19:00, 休館日除く)

※夕方の回は3回とも終演後に金森さん・山田さんによるアフタートークがあります。

不穏なウィルス状況ですが、新潟県は感染者ゼロ。公演は今のところ開催予定です。寒さもウィルスも吹き飛ばす Noism2公演、どうぞお運びください。

(fullmoon)
(撮影:aqua)

*同公演は、残念ながら延期が発表されております。こちらの記事も併せてご覧ください。

新企画!「ランチのNoism」#1:金森穣さん&井関佐和子さんの巻

取材日:2020/02/15(Sat.)

チョコレートを巡る賑わいも前日で一区切りを迎えた2月折り返しの土曜日、ランチを拝見しながら、お話を伺うという某テレビ局の人気番組に想を得た取材をしようと、fullmoonさんと一緒にりゅーとぴあに向かいました。

聞けば、Noismのお昼休みは13:30から14:30までなんだとか。そこで、13:15にNoismスタッフの堀川さんを訪ね、『春の祭典』の音楽が漏れてくるスタジオBのホワイエに移動して、そのときを待ちました。

誰にでも昼はくる。時計は13:30。りゅーとぴあ・スタジオBに昼がきた。

「ランチのNoism」第1回。ホワイエに出て来た金森さんと井関さんは勿論、稽古着姿。衝立を兼ねたホワイトボードのこちら側で、まず、手提げから取り出されたお弁当のタッパーを撮影させて貰って、ランチ取材開始です。

ランチはホワイエ内、衝立のこちら側で寛いで

*まずは、毎回、全員に尋ねる(予定の)「10の質問」から。

「10の質問」は共通質問シート

1 今日のランチを簡単に説明してください。

 井関さん「今日のランチ…、サラダ。『サラメシ』。いつもお昼は基本、サラダです」

 金森さん「そうだね。でも、グルテンフリーして…いつからだ?あなたが急にサラダを始めたのは…?」

 井関さん「1年半とか、2年とか」

 金森さん「でも、なんでサラダにしたの? 俺はただ出されたもの食ってるだけだから。理由、俺も知りたいんだけど」

 井関さん「Noism始まった当初はコンビニのパスタとか。そこからおにぎりに変わって。2個食べてたのが1個になって。でも、コンビニのおにぎりって1個だとお腹が張らないですよ。なのに、炭水化物を摂ると眠くなるんです。で、とりあえずタンパク質いっぱい摂りたいからサラダにした」

 金森さん「俺が踊り始めたから。今より5kgくらい太かったからね、当時は」

人参(オーガニック)・トマトは井関さんの実家・高知産
新潟のプチヴェールも最近のお気に入りなんだとか

2 作るのに時間はどれくらいかかりますか。

 井関さん「全然かからないですよ。朝、朝食の準備と一緒に」

 *なんでも、朝食は主に米粉パンとコーンフレークに珈琲で、お昼のお弁当には前日の余り物(この日は里芋)も入れて来るんだそう。

3 ランチでいつも重視しているのはどんなことですか。

 井関さん「お腹がいっぱいになって、重くなくって、タンパク質がメイン。1にタンパク質、2にタンパク質、3、4がなくて、(アマニ)オイル。それがしたくてサラダにしたので。凄いボリューミーですよ、おにぎりのときよりも」

 金森さん「炭水化物は血糖値がすぐ上がるけど、すぐ下がるので良くない、とこの人(井関さん)が言ってました」

 井関さん「正解!」

「写真、撮っておいた方がいい。重要」と井関さん
必殺アマニオイル、ハーブソルトほか
アマニオイルとハーブソルトをかけ、
タッパーを揺さぶって馴染ませてから、いただきます

4 ランチで「これだけは外せない」というものはありますか。

 井関さん「アマニオイルと、何でもいいけどタンパク質」

 金森さん「俺は味噌汁」

 井関さん「穣さんは味噌汁だよね。絶対に欠かせない。サラダなのに味噌汁」

 *ちなみに、味噌汁はコンビニで買うことも多いそうですが、この日はこれも前日の残りの豚汁。それを金森さんは美味しそうに頬張っていました。

左上が金森さんのお味噌汁
お弁当ふたつは「まったく同じもの」(井関さん)

5 サラダの内容は大体同じなのでしょうか。

 金森さん「ローテーションだね。今日はソーセージでしょ。卵が入っていたり、いなかったりとか、ベースがサラダなだけで色々変わるよ」

 井関さん「…チキンの日とか、ベーコンエッグみたいなのが載ってたりとか、上の具が変わりますね」

6 公演があるときのお昼は変わったりしますか。

 井関さん「公演があるときは、一週間前からサラダは止めようと。お腹が冷えるんで」

 金森さん「足りなくなる。劇場入りしたくらいからは炭水化物を摂るようにしてる」

「7 いつもどなたと一緒に食べていますか」は割愛しようとしたところ、

 井関さん「訊いてみてください」

 金森さん「ひとりです。『お互い、ひとりです』っていうのどう? ひとりとひとりが一緒に食べているだけで」(一同爆笑)

笑顔で応じてくれる金森さん、井関さん

8 主にどんなことを話していたりするんですか。

 金森さん・井関さん「何しゃべるんだろう? お昼、結構黙々と」

 *お昼休みに入る直前の話はしたりしますか。

 金森さん・井関さん「あんまりしたくない。スタジオじゃない仕事の話はするかもしれないけど、今さっきやってたことを引き摺ることはあんまりない。うん、大事」

『9 おかずの交換などしたりすることはありますか』は訊けないし」にウケる二人。

 金森さん「交換はしないけど、この人(井関さん)が俺の方に入れてくる。『これ、好きでしょ』とか。交換とは言わないよね、俺、あげないもん。いやいや、あげたくない訳じゃないんだけど、この人が放り込んでくる」

 井関さん「穣さん、野菜好きなんですよ」

「おかず交換」ならぬ人参の移動は
井関さん→金森さんの「一方通行」
丁寧にオーガニックの人参を
摘まんで見せてくれる金森さん

10 いつも美味しそうなお弁当を持ってくるのは誰ですか。

 井関さん「(山田)勇気(さん)のサンドイッチ。フォカッチャの。私たちはもう食べないんですけどね、パンは。でも美味しそうだねって」

 *ここからはランチ以外の質問です。

11 『春の祭典』のクリエイションはどのくらい進んでいますか

 金森さん「3割くらい。今、Noism2が(定期公演のクリエイションで)いないからね」

12 そのNoism2の方の進み具合はどうですか。

 金森さん「全然見てない。ギリギリまで見ないようにしてる。驚きがなくなるから」

13 『春の祭典』の音楽は誰の演奏を使う予定ですか。

 金森さん「色々あるからね。今、使っているのはアンドレア・バッティストーニ指揮の東京フィル」

 井関さん「若い指揮者ですね。穣さんが最初選んだやつ(ズービン・メータ)も良いんだけど。今、厄介なことやっていて、色んな音をとらなきゃいけないんですよ。今のところはこれ(バッティストーニ)が一番、各楽器が聴こえる」

 金森さん「各楽器が安定して聴こえるから、稽古はし易い。本番、どうするかわかんないけど。全部仕上ったところで、いろんなものをかけてみて選ぼうかと思っている。…指揮者が凄い個性を出すでしょ。それは今は要らないかなと。今はできるだけドライにいって欲しいんだよね」

 *気になるのは演奏の違いと踊りの関係なのですけれど、「楽譜と照らし合わせて作っているから、突拍子もないことは起きないんです」と井関さんが言えば、「なんだったら、『今、オケ、間違えたな』とかもわかる。このあいだ、言ってたじゃん。別のCD使っていたときに『おかしい、おかしい』って」と金森さん。音の入りがワンテンポ早くなっている箇所に気付いちゃったんだそうです。ちょっと凄いかも。新作「ハルサイ」では、メンバー毎に楽器が割り振られていて、井関さんが踊るのはファゴット。管楽器が鳴り出すと、音が全然消えちゃうから大変なんですって。お話を伺っているだけで、大いに興味を掻き立てられました。6月、楽しみです♪

今回の取材はここまでです。貴重なランチブレイクを20分も割いていただき、感謝しかありません。

お二人のやりとりが楽しくて、できるだけそのままの言葉のご紹介を心掛けました。お楽しみいただけたなら幸いです。

「意外と地味なお昼ごはんでしたね」とは井関さん。いえいえ、そんなことはありません。大切なお昼の時間にお邪魔させていただき、色々と有難うございました。

金森さん、井関さんのお弁当、ご馳走様でした。それでは今回はこのへんで。お相手は shin でした。(…って、記念すべき第1回、中井貴一を存分に意識しながら纏めてみました。そのあたり伝わりましたでしょうか。)次回もご期待ください。

(shin)