モスクワの『カルメン』♪(現地レポ)

5月29日、チェーホフ国際演劇祭招聘、『カルメン』モスクワ公演初日!
新潟から駆けつけた一行4名で鑑賞しました♪
チケットは既にソールドアウトの大盛況!
そして拍手歓声、スタンディングオベーションの大成功で無事終演!!
よかったですよ〜♪

公演中も随所で拍手があり、見事な熱演に観客が引き込まれていました。
会場では、金森さん、山田さん、スタッフの上杉さん、堀川さんにお目にかかれました♪
私たち一行には、ライターの本間大樹さんが同行。新潟日報夕刊・おとなプラスに公演の様子等が掲載される予定です。
ほかに、BSN新潟放送からもテレビカメラを担いで3名、取材に来ていました。いろいろ楽しみですね♪
モスクワの空港でお見かけした、新潟市の飲食店・錦弥(きんや)のお二人にも、会場でご挨拶できました♪

会場名は現地では、「ゲリコン・オペラ」と発音するそうです。
カジュアルな服装の方が多いですが、綺麗なドレス姿の女性も結構多数いらっしゃいました!
会場も一部改装したのか、外壁や、エントランス等、とてもきれいでした。クロークに行く階段まわりのデザインも美しくて斬新。好印象の会場でした♪

私たち一行にはロシア人の女性が案内に付いてくださった(この件の詳細は後日)のですが、公演をご覧になって大興奮!観る前と観たあとでは顔つきが変わっていました。 とてもよかった、面白かった、凄かった、カルメンは凄く色気があった、と話されていました♪
本間大樹さんはカルメンを観るのは初めてだそうですが、何度か見ている3名も、また新たな驚きと美しさ、華やかさに感動しました。

観客の反応で面白かったのは、ドロッテがロシア語で[休憩]と書いたカードを出すところ。笑いと拍手が起きました。この場面は日本でも同じなので想像できましたが、もうひとつは闘牛士の場面です。天井から吊るされている牛が落下して闘牛士が死ぬシーン。牛が落ちた途端に会場は大爆笑、ヤンヤの大拍手! 日本では笑いが出ることもたまにはありましたが、ほんの少しでした。
そしてすぐに次の深刻な場面になるのですが、この反応に金森さんは「してやったり!」と思ったことでしょう。

最後、いつが終わりかわからないシーンでは、その都度拍手が起こり、カーテンコールも長く続きました。ちなみに、字幕はステージ両サイドの壁に二ヶ所。公演の小パンフレットは200ルーブル(約400円)でした。

モスクワ『カルメン』大成功の喜び、そして興奮と感動を胸に、ホテルへの帰途につきました。
2日目、3日目の公演も大成功間違いなし!祈念いたします。
まだまだ書き足りませんが、まずはこのへんで♪

From Russia with Love!

こちら(写真特集)も併せてどうぞ♪  (fullmoon)

速報!劇的舞踊『カルメン』にモスクワ熱狂!

モスクワでの劇的舞踊『カルメン』初日の幕が上がり、終演後の劇場に圧倒的な熱狂と興奮をもたらした様子が届いて参りました。さもありなん♪

Noism officialによるインスタグラムの動画です。

こちらもNoism officialによるツイッターです。

そして、金森さんのツイートもご覧ください。

新潟市のNoism、そして日本のNoism。なんと誇らしいことでしょうか!
このあと、現地で初日をご覧になったfullmoonさんのレポートで詳細をお知らせする予定です。ご期待ください。 (shin)

「私がダンスを始めた頃」②  浅海侑加

初出:Noismサポーターズ会報31号(2017年5月)

私が3歳の時、突然「バレエがしたい…」と母に言ったそうです。
バレエを観た事もなければ、周りに習っていた人もいなかったのに、「バレエ」なんてどこで知ったのだろうと・・・また、母は昔バレエを習うことができず、いつか娘に習わせたいと思っていたので、3歳の私が言った言葉にはとても驚いたそうです。

私は見学に連れて行ってもらい、お教室の隅で見学をしていたはずが、急に踊り出したそうです。 これなら習わせても大丈夫だと母は思い、教室に通う事になりました。

音楽が聞こえてくると、どこででも踊り、ふと我に返って恥ずかしくなって、顔を赤らめたり、デパートのBGMに合わせて階段を登ったりしていました。(今でもやっちゃう時があります)

国語の授業の音読や、人前に出て話をするだけで、心臓バクバクになる私が、舞台に上がって、違う自分になったかのように踊れることを不思議に思います。
そのマジックのようなものがあるから、私は、今でも踊り続けているのだと思います。

(あさうみゆか・1992 年愛媛県生まれ)

*2019年7月退団

*2020年9月よりNoism2リハーサル監督に就任

目に贅沢なご褒美-劇的舞踊『カルメン』2019 ver.公開リハ(2019/05/18)

気温25℃を越えた新潟市は、うららかを通り越して、暑くさえ感じられるほど陽気の良い皐月の土曜日。りゅーとぴあ・スタジオBにて、劇的舞踊『カルメン』モスクワ公演に向け、活動支援者を対象とした2度目の公開リハーサルを観てきました。この日はSPACの奥野さんも加わったフルキャストでの通し稽古で、本番さながらに10分間の休憩を挟んで、全篇を見せて貰いました。

いざ、あの世界へ♪

前回、1度目のリハ(5/12)については、ご覧になったacoさんがコメント欄にレポを書いてくれていますが、その言葉の端々から興奮、陶酔、感動が読み取れましたし、もう期待を膨らませるだけ膨らまして出掛けて行った訳です。
そしてそれは裏切られることなどあろう筈がありません。申し込み先着20名、その目と鼻の先ギリギリ、数センチのところまで出てきて展開される劇的舞踊は、観ているこちら側がドギマギするくらいのド迫力。

衣裳や装置の多くは仮のものだったり、幾度か重要な映像が投影されることになる中央のスクリーンがなかったりと、実際の公演との違いこそありますが、代わりに、見立てて踊る稽古の雰囲気が楽しめたり、本番ではスクリーンの背後にいて、不可視であるべき実演家の待機する仕草や準備動作がそのまま観られたりと、いつもながら、レアな楽しみ方には事欠きませんでした。出番以外でも、終始、私たちの視線に晒され続ける実演家は大変だろうと思ったりもする訳です。一言で言うなら、もう、目には贅沢なご褒美が過ぎる、そんな感じの2時間で。

先ず何といっても、音楽がエモい。あれが響くともう一気にそこはスペイン。記憶が召喚され、かつて見た舞台の印象との偏差を満喫させて貰いました。「このキャスティング、また違った味わいがあって楽しい」とか、「アレがああなって、こうなるんだよな、うん」でも時々、「ああ、そうだったのか」と今更ながら気付くこともあったりして、Noismの「古典」としてこの先も繰り返し観ていきたいという思いを強くしました。目を閉じるまでもなく、自然と目に入ってくる光景の「やや上方あたりに」(!)今日観た踊りのあの場面やこの場面が浮かんでくるような錯覚を伴いながら、情緒を揺さぶる音楽たちが今も脳内でリピート再生されているくらいです。

今回の2019ver.キャスティングは、以下のとおりです。
カルメン 野性の女: 井関佐和子
ホセ 理性の男: 中川賢
ミカエラ 許嫁の女: 井本星那
スニガ 権威の男: 林田海里
リュカス 我欲の男: ジョフォア・ポプラヴスキー
ロンガ 同郷の男: チャン・シャンユー
ドロッテ 謎の老婆: 池ヶ谷奏
メルセデス 異父の姉: 浅海侑加
フラスキータ 異父の妹: 鳥羽絢美
マヌエリータ 仇敵の女: 西岡ひなの
ガルシア 極道の男: カイ・トミオカ
兵隊の男たち: チャーリー・リャン、カナール・ミラン・ハジメ
ジプシーの男たち: 三好綾音、池田穂乃香
街娘たち/ジプシーの女たち: 西澤真耶、片山夏波、門山楓、杉野可林、長澤マリーヤ
学者 博識の老人: 奥野晃士(SPAC)

リハのあいだ中、キャスト全員の熱演に圧倒されまくりでしたが、個人的には、ジョフォアさんの「闘牛士」、そして西岡さん演じる「敵役」が強く印象に残りました。そして、そうです、もうひとつ。お約束の「ホセ、帰ってきて~~~!」(笑) ご覧になった皆さまはどんな印象をもたれましたか。

で、メンバーは来週5月24日に東京を経由して露国に向かう予定なのだそうです。きっとかの地の演劇祭でも目の肥えた観客を魅了し尽くしてしまうだろうことを改めて確信いたしました。大きな拍手に包まれたカーテンコールすら今から既に幻視できます。GO! Noism! GO!!

(shin)

「私がダンスを始めた頃」①  池ヶ谷奏

初出:Noismサポーターズ会報28号(2016年1月) *一部修正

私が踊ることに夢中になったのは物心つく前なので覚えていません。

3歳の夏、数ヶ所の夏祭りに連れて行ってもらった私は、勝手に櫓(やぐら)の上に登って見よう見まねで踊っていたそうです。
夏が終わり、「もうお祭りないの?」とせがむ私を、母が近所のバレエ教室に連れて行ってくれました。
最初の日は見学だったのに、「なんで私は踊っちゃいけないの?」と機嫌が悪くなるほど。もう踊らずにはいられない性格だったようです。そうして最初に始めたのがクラシックバレエでした。

半年後に初舞台(発表会)に立つのですが、そこで初めてお化粧をしてもらった顔を見てウットリとしていたこと、そして何よりも舞台袖からキラキラした照明の舞台を眺め感動したことは鮮明に覚えています。
あの日、私はもう舞台に立つことの虜になってしまったのです。

もう1つのダンスとの出会いは7歳のとき。家の側にあるホールでコンテンポラリーダンスの舞台を観ました。
キラキラしたクラシックバレエの世界しか知らなかった私は、見たこともない面白い 動きをしたり、床に手をついたり、ただ歩いて手振りを繰り返す怪しげな人がいたりするその作品に、隣りで観ていた母と大興奮しました。
ダンスってこんな世界もあるのか! やってみたい! と。

その衝撃を抱えたまま月日は流れていきましたが、11歳のとき、通っていたバレエ教室の先生がコンテンポラリーダンスの先生をお呼びしてクラスをしてくださること になりました。
やっとあの世界の人に私も仲間入りできる!と、とても嬉しかったのを覚えています。
が、何より嬉しかったのは、私に衝撃を与えたあの作品の手振りの怪しげな人がクラスの先生だったのです。
あの作品を観たことは運命だったのだな、と勝手に思っています。

こうして私のダンス人生は始まり、まだまだその道を外れることは想像できません。

(いけがやかな・1989年神奈川県生まれ)

*2020年8月退団

新カテゴリー準備中♪(ご案内)

日頃より、当ブログをご訪問、ご愛顧いただいておりますことに改めて感謝いたします。
先のカテゴリー追加(2019/3)に加えまして、現在、更に新カテゴリーを準備中です。

新しいカテゴリーは「☆Noism RELAY ESSAY」。これまで紙媒体の「サポーターズ会報」にメンバーリレーエッセイとして連載し、ご好評を博してきました「私がダンスを始めた頃」を、ウェブに場所を移して順次掲載していこうと考えております。

で、この機会に、かつて紙面でご紹介したメンバーにつきましても改めてお読みいただけるよう準備しているところです。

ますます読み応えのあるブログを作って参りたいと思います。
ご期待ください♪
(shin)

活動支援会員限定『カルメン』公開リハ、コメント求む!

以下の通り、Noism劇的舞踊『カルメン』モスクワ公演に向けた 公開リハーサルが迫って参りました。

日時A:2019年5月12日(日)12:00~14:00  
日時B:2019年5月18日(土)12:00~14:00  
会場:りゅーとぴあ  新潟市民芸術文化会館〈スタジオB〉  

昨夕、両日程とも鑑賞定員に達したとの知らせがあり、 喜ばしい反面、1度しか観る機会がないのがやや残念でもあります。 でも、それは仕様のないことですね、ハイ。

皆さまは申し込まれましたでしょうか。 どちらの回をご覧になられますか。 これを書いている私は「日時B」に参ります。

そこで、皆さまへのお願いです。 どちらの回も、ご覧になられた皆様からのコメントをお寄せいただきたいと存じます。

「日時A」(5/12)につきましては、この記事へのコメントというかたちでお願いしたいと思います。(折から、G20新潟農業大臣会合開催中でもあり、新潟市内は交通渋滞も予想されます。こちらもご覧いただき、お時間に余裕をもってお出掛けください。)

「日時B」(5/18)に関しましては、私の方でレポをあげる予定でおりますので、 そちらへコメントを頂けましたら幸いです。

モスクワ公演にむけて弾みがつきますよう、 多数のコメントを頂戴出来たらと思う次第です。 何分宜しくお願い致します。 (shin)

「空気を吸う」(サポーター 公演感想)

☆実験舞踊vol.1『R.O.O.M.』東京公演

例えば、ひとつひとつの動きがある種の記号であると考える。
それはローマ数字やピクトグラムのような、
あるいは象形文字のような
それ自体がハッキリとした意味を持つ記号と考えることもできるが、
ここではむしろ平仮名やカタカナ、アルファベットのように個々には意味を持たないが、
いくつかが連なることで単語あるいは文章という意味性を持つ
“意味のない記号”と考えたほうが面白い。

すると、さまざまな方向から(上からまでも!)現れる記号は、
まさに頭の隅々から次々と現れ、
それが連なることで文として成り立っていく文字要素という記号に似ていることに気が付く。

ひとつひとつの動きに意味を見いだすことはできなくても、
その出現の仕方、場所、方向、そして次の個との連なりなどによって
確かに揺さぶられる心情。
なるほど、これは文章なのだ。

思えば、そのヒントはすでにタイトルにも内包されていた。
『ROOM』ではなく『R.O.O.M.』。
この4つのアルファベットに、それぞれ意味は割り振られているが
要は一文字一文字が記号として独立した個、ということではないか!
・・・と、一人悦に入ろうとした瞬間、
その思考は簡単に打ち砕かれた。

こういう時、私の浅はかで理屈っぽい思考を無下に打ち砕くのは、
いつも井関佐和子その人。
そこに舞い降りた(そう、文字通り降りてきた!)彼女は、
まったくもって記号などではなかった。

記号と言うには、あまりに自在で
記号としての定型感がなく、
それはむしろ色とか雰囲気とかニュアンスといった種類に近く、
いわば、さまざまな記号を包み込むように漂う空気感のようなものだ。

それは、読み解くものでは無く吸い込むものなのだ、空気のように。

だとしたら、包まれる記号と包む空気との関係とは何か。
いや、この舞台において両者はそのように対峙するものなのか。
そもそも“両者”と区別すべきものなのか
・・・だが、違う、明らかにそれは種が違うのだ。

という、いつもの疑問に辿り着いた頃、無情にも『R.O.O.M.』の幕は下りた。
                Kinya(2019.2.23:吉祥寺シアター)