埼玉公演3日目、『Double Bill』大千穐楽に滂沱(ぼうだ)の涙

前日とは打って変わって晴天の埼玉、2020年1月19日(日)。気温は低めながら、そこは冬のことでもありますし、晴れているだけで儲けものと思いながら、彩の国さいたま芸術劇場へと向かいました。

午後2時くらいに与野本町駅に降り立ちますと、私たちの目の前、改札を出たところには待ち合わせをしている制服を着た女子高生の集団の姿があり、恐らくダンス部員と思しき彼女たちも、そこから同じ場所を目指してずっと私たちの前を歩いていく成り行きに自然と頬が緩みました。そう言えば、前日の会場内にも似た雰囲気の女子高生の姿がありましたし、「いいねぇ。りゅーとぴあだけじゃないんだね。彼女たちの未来は明るい」そう感じたような具合でした。(笑)

故・蜷川幸雄さん展示品の向かいにNoismチラシ
新潟市の観光パンフ
「一度来てみるってのはなじらね」

入場後、この日もホワイエに立つ森さんにご挨拶した際、お願いして公演パンフにサインをしていただき、またひとつ宝物が増えました。そして昂る気持ちのまま、まるで「クロノスカイロス1」の時間表示が刻々変化していくのを実感するかのように「大楽」の開演を待ちました。

この日も予定時刻を少し回った15:05頃、音楽が鳴り始め、緞帳があがると、無人の舞台の最奥にピンク色の時間表示が現れます。それは最初の一音が響くと同時に刻まれ始めた経過時間を示すものなのでしょう。そして「1:25.00」を合図とするのだと思われますが、鳥羽さんが舞台を横切って走ってそのまま消えていくことで、「クロノスカイロス1」が始まります。いつしか時間表示が映像を映すスクリーンに変わっていることもいつも通りです。

映像が映す身体と生身の身体とのシンクロ振りを楽しみながらも、鏡面ではないスクリーンに向き合う舞踊家の姿は左右が反対の筈で、例えば、右手の映像の手前には生身の左手が重なっている訳で、そうしてみると、信じられないレベルで左右対称の動きを作り上げていなければ成立し得ない演目であることに気付きます。それをこの日は今まで以上の笑顔で踊った舞踊家たち。観ているこちらも鼓動が高まり、ワクワク楽しいのなんのったらありませんでした。

「夏の名残のバラ」、息を凝らして主演女優と助演男優を見詰める、そう、まるで映画のように。それも、fullmoonさんが言うように、極上の一篇。緞帳に大写しにされた井関さんの映像が、実の舞台で生身の井関さんの姿に引き継がれる際のゾクッとする感じは何度観ても変わりありません。

この日、目に留まったもの。まず、鏡に向かい、メイクを施す井関さん映像の上方、逆さに吊るされた、乾燥具合(枯れ具合)を異にする(要するに、違った時期の思い出の品であっただろう筈の)赤いバラの古い花束が3つ。そして実演部分に至り、井関さんをとらえる山田さんのビデオカメラが最奥のスクリーンをもそのフレームに収めてしまうことで、実像の後方、斜め上方向に2つの井関さんの映像が映り、都合3つの赤いドレス姿を同時に目にすることになる、その符合振りの巧みさ。そんな心憎いがまでの細部にも魅了され、終始、心臓はバクバク言って、仕舞いには涙腺が見事に決壊、滂沱の涙となる始末でした。

「FratresII」の鬼気迫る気迫、熱、渾身、或いは憑依。見詰めているだけで違う世界に連れ去られてしまうような舞踊。落下する数多の米の粒さえ金森さんの身体に当たって弾けるときに、シンメトリーを描いてしまうに至っては一体どうしたらそんなことが可能なのだろうか、とも。ですから、凄いものを見てしまったと言うほかにないと感じた、「楽日」の「FratresII」でした。

休憩を挟んで、森さん演出振付の『Farben』、いよいよ見納めの時が近付きます。照明、装置、そこに音楽。感情を滾らせるような弦の響き。繰り出されるそのビートをそれぞれの身体を使って可視化するかのような出だし。冒頭から、触れると火傷しそうなくらいの熱を発して躍動する身体が音楽との見事な一体化を遂げています。抑圧、不安、渇望、追憶、喪失、傷心、夢…、ひとつところに安住することをさせない要素たちと、それらに突き動かされる姿とが息苦しいがまでに観る者の胸に迫ってきます。

金森さんとはテイストを異にする森さん作品。それを見事なまでに現前させたのはNoismならでは、そんなことも書きましたが、この日は更にそれに留まらず、それを踊り切った舞踊家はまた新たな舞踊言語を手にした筈との思いを抱くに至りました。まったく「Noism第二章」に相応しいこと、この上ありません。

第一部、金森さんの『シネマトダンス-3つの小品』の後も、第二部、森さんの『Farben』の後も、緞帳が下りてのち、暫く沈黙が客席を覆っていました。カーテンコールになって初めて拍手が解禁されるかのような空気を作り出したのは、他でもないこの日の舞踊家たちが見せた「爆発的な」舞台、それ以外の何物でもありません。一旦、拍手が送られ始めると、今度はそれが熱を帯びたものに変わり、「ブラボー!」と声をかける者、スタンディングオベーションを送る者等々、会場中が、少し前の沈黙とは打って変わって、熱狂的な様子に変貌を遂げることになりました。

夕刻特有の色合い(farben)が、熱狂の舞台を静寂に戻していくのを振り返りながら、与野本町駅に向かって歩み始めたのですが、不思議なことに、いつも楽日の公演後には感じてきた「Noismロス」には襲われずにいました。それもこれも、圧倒的な舞台の余韻が収まる兆しを見せず、まだまだ夢の中にいるような心持ちだったからに違いありません。

帰りの新幹線まで2時間半はあったため、同じく新潟から遠征のサポーターズ仲間と一緒に大宮まで出て、この日も居酒屋さんに行くことになりました。それもNoismが与えてくれる幸福の一部であることは前日のブログに書いた通りです。Noismを観て楽しみ、Noismを語って楽しんだ2日間。Noismを好きな自分でいて良かった、この日も心からそう感じたような次第です。

(shin)

雪舞う首都圏、『Double Bill』埼玉公演2日目

前日から始まった埼玉3days、初日は仕事で都合がつかず、泣く泣く我慢。で、仕事帰り、公演時刻とちょうど重なる頃、やはり公開初日を迎えたイーストウッドの新作映画『リチャード・ジュエル』を観て過ごし、その後、帰宅してfullmoonさんのレポを読んで、というのが、2020年1月17日。明けて18日(土)の朝、新幹線で新潟市を出て、勇躍、埼玉に向かいました。まだ時間も早かったため、東京まで足を伸ばして過ごしていたのですが、気温はどんどん下がり、お昼頃の新宿界隈は遂に雨が雪に変わる始末。雪のない新潟市から雪舞う新宿へ、という予想もしない展開にまず目が点になったような次第です。

その後、幸いにして寒気は緩み、それでも、雨がそぼ降るなか、埼玉へ移動して、開演1時間前の16時頃、与野本町に入りました。駅を出たところで、同じく新潟から来たサポーターズ仲間にばったり遭遇。傘をさして雪やら雨やらに苦笑いをしながら、公演会場である彩の国さいたま芸術劇場へと向かいました。

幻想的なガラスの光庭

Noismが私の人生に運んでくれた豊かさや幸福にはそういうものも含まれています。Noismを通じて知り合った人たちです。入場前にも東京や千葉のサポーターズ仲間と笑顔で挨拶を交わし、或いは、仲良くして貰っている、あるNoismメンバーのお母様ともお会いしたり、チケットを切って貰ってホワイエに進んだら進んだで、今回招聘された森優貴さんにご挨拶できたり、はたまた、金森作品のあとの休憩時間には、この日、ご覧に来られていた小㞍健太さんともお話しできたり、…と。それらはどれひとつとっても、Noism抜きにはあり得ないことで、もう手放したくない幸福な状況な訳です。有難いです。でも、そんなふうに感じている方って多いのではないでしょうか。

前置きが長くなり過ぎですね。ここからは埼玉2日目の公演について書きます。新潟での3日間から日を空けて、今回、D列の席から見上げた大小4つの演目からは、どれも、瑞々しさや生々しさ、要するに鮮度を保ったまま、練磨の度合いが上がり、滑らかさが増した、そんな印象を受けました。舞踊家しかり、照明しかり。

腕を振り回すごとく、勢いのままに若い刻を謳歌する舞踊家たちと、ひらりひらり忍び寄る終焉の予兆。それを暗示して舞い落ちた薄片は、新潟での黄色から埼玉ではさくら色に。虚実入り乱れるかのような生の身体と映像、それを照らす照明も少し変わって、インパクトを増した箇所もある「クロノスカイロス1」。

齢を重ね、それでも舞台に立つ舞踊家とそれを間近から撮ることで観つつも見せる男。赤と黒と夕陽のような金色が美しい舞台は「夏の名残のバラ」。設定さながらに、踊り込まれることでしか達しようのない域、「至芸」の味わいを濃厚にしていて、固唾を飲んで見詰めるのみです。

金森さんがその身ひとつに場内すべての視線を受け止めて踊る「FratresII」。舞踊を生業とした者、或いは舞踊にすべてを捧げる決心をした者の覚悟のほどを発し続けて、一瞬ごとに場内を圧していきます。緞帳がおりてのちも客席は雑な身動ぎが憚られたと見えて、送られた拍手は、両の掌も緊張が解けないままでどこかぎこちなさを引き摺るような拍手に聞こえました。それだけ圧倒的なソロだったということです。

上に書いた通り、小㞍健太さんともお話しができて感動した休憩を挟んで、森さんの『Farben』です。中央で踊る井関さん、ジョフォアさん、鳥羽さん、そしてラストで視線を釘付けにする林田さんだけでなく、すべての舞踊家が、より確信に満ち、より伸びやかに、そしてより激しく、持ち前の「Farben(色彩)」を発散して踊る印象を強め、もう見どころ満載、個性や魅力の「てんこ盛り」状態になっています。

「one of them」を踊っているのに、当然ながら、決して「one of them」に留まっていずに、誰よりも「若さ」を発散して踊る井関さんを観る稀な機会でもあります。それひとつだけとっても、楽しくない筈がないじゃありませんか。

森さんが仕掛けた欧州のテイスト。それをあのレベルで現前できるのはNoismなればこそ。彼らの身体が、彼らの日々の鍛練があってこそと断言するほかない舞台が展開されます。この日もとっぷり浸かって、心から堪能いたしました。

この日は劇場を後にしても、直接、ホテルに向かうのではなく、fullmoonさんと彼女の友人にご一緒させて貰い、居酒屋さんでNoismを肴にグラスを傾けて楽しい時間を過ごしました。笑って食べて飲んで過ごした時間は優に2時間を越えていましたから、公演時間を上回っていた訳で、つまりは公演に「倍する」時間、Noismに浸っていたことになり、埼玉の地で、冒頭に書いた豊かさや幸福、ここに極まれり、って日を過ごしたことを書いて締め括りとさせていただきます。

森優貴/金森穣 Double Billも余すところ「大楽」の一公演のみとなってしまいました。である以上、満喫するのみ。本日、また足を運びます。

(shin)

『Double Bill』新潟公演千穐楽、師走の寒空に鮮やかな「色」をもたらす

師走の幸福な週末、残す公演は今日の1公演ということで、朝からソワソワし通しだった2019年12月15日。寒くないと言えば嘘になってしまうのでしょうが、幸いなことに風もなく、前日あれほど身を震わせた寒さは和らぎ、誰もがこれくらいなら御の字と思っただろう、そんな日曜日。県外からのお客さんも多く詰めかけるなか、『Double Bill』新潟公演千穐楽の舞台を目に焼き付けてきました。

前の記事でご紹介していた、Noism2のメンバーが日替わりで立つ物販コーナー、この日はこんな感じでした。『ある船頭の話』ポスターの「赤」にも負けないくらい、華やぐ「Farben(色)」がありますよね。

アフタートークで金森さんが客席に向けて訊ねたところ、県外の方も大勢いらしていたのですが、その要因のひとつに金沢21世紀美術館が企画した高校生限定の「劇的!バスツアー」もありました。とても価値のある企画ですね、コレ。

「カンゲキする人生は、
もっとおもしろい。」

鑑賞後のホワイエには、尊敬するサポーターズ仲間がツアー参加者にNoismメモパッドをプレゼントする一幕もありました。

「もっとおもしろい人生」にNoismが一緒にあることを、(折角この時期ですから、映画『スター・ウォーズ』風に、)”May Noism be with you!(Noismがともにあらんことを!)”と祈りたいと思います。

先を急ぎ過ぎました。話を公演に戻しましょう。この日の公演、一言で言えば、凄いものを観た、それに尽きます。気持ちや魂と不可分の身体が現前、或いは降臨していた、またはまったく逆に、何かが憑依した身体がそこにあった、そうとしか言えないようなパフォーマンスが続きました。圧倒された客席は水を打ったように静まり返り、終演後もその沈黙を破ることが憚られて、しばし拍手することさえ儘ならない状態になっていました。心底揺さぶられた人はみだりに音など発したりできないものなのですね。しかし、その呪縛から解き放たれたらもうその先は盛大な拍手、「ブラボー!」、そしてスタンディングオベーションが場内に広がっていったことは言うまでもありません。

先ずは金森さんの『シネマトダンス―3つの小品』。『クロノスカイロス1』、光輝溢れる「若さ」ととどまることなく刻まれていく「時間」。仲間、そして思い出。『夏の名残のバラ』、晩秋或いは初冬の夕陽が差し込む舞踊家の晩年。井関さんと山田さんによる極上の抒情。『FratresII』、人ならぬ身と化したか、圧倒的な舞踊の果てに「舞踊」そのものとして現前する金森さん。鬼気迫る、その超弩級の迫力が、場内を張り詰めた空気で包み、誰一人微動だにできない雰囲気の仕上げをしました。

休憩後に森さんの『Farben』、この並び順はこれ以上ないほど完璧なものと思い知ることになりました。張り詰めた緊張感を保ちつつ、各々の個性(「色」)が歌いだすことをもって完成する作品、それが森さんの『Farben』だからです。そしてそれをやり遂げた12人の舞踊家たち。初日のアフタートークで森さんが舞踊家とともに作品が「熟成していく」期待を語った通りの歩みを新潟公演千穐楽の舞台で示した12人。そのカーテンコール。解き放たれた舞踊家、解き放たれた客席、そこに溢れていたのは笑顔。それ以外の何物でもありませんでした。

(この日は、前日からの大幅な変更はなかったように見ました。蛇足でした。)

勢揃い
「メンバーの個性の違い、
もっと知って貰えたら、
もっと楽しんで貰える」(林田さん)
①(右より)金森さん、西澤さん、
スティーヴンさん、チャーリーさん、
井本さん、ジョフォアさん
②(右より)池ヶ谷さん、林田さん、
カイさん、鳥羽さん、
タイロンさん、三好さん

公演後のアフタートーク、金森さんとNoism1メンバーが壇上に勢揃いすると、とても色鮮やかで、今回の公演とぴったりに思えました。トークの全体から、多国籍度が増した今年のメンバー、感じ方の違いを身をもって知ったうえで、お互いに助け合っている様子が伝わってきました。

新メンバーのスティーヴンさんが、街中でも、カンパニー内でも誰もが親切で助かっている。困っているのは母国(英国)の友だちとコンタクトをとる際の時差であると語れば、タイロンさんは海に近い新潟市は故郷(豪州)と似ている。日本語が読めないので、常に誰かに訊かなければならない点で苦労していると話しました。また、Noismに入ったことに関しては、スティーヴンさんが、公演を通して共有することができる。もっと共有したい、もっと公演の機会があったらいいと語った一方、タイロンさんは、毎日、鍛錬できる流れがあって嬉しいとしながら、日本文化やルールなどが母国と異なる点には苦痛もあったりするとちょっぴり本音も覗かせました。

舞踊についてではありませんが、会場から母国・香港の状況について心境を訊ねられたチャーリーさん、知人が困難な目に遭っている状況に、言葉を絞り出すようにして、まず、”They’re fighting for the freedom.(彼らは自由のために戦っている)”と切り出し、続けて「世界中からの暖かい支援に感謝している」と述べたあと、「あなたが正しいと信じるなら、進むべきだ。どこかで誰かがあなたの信じることに気付いてくれるだろう」の言葉にその思いを込めました。冬休みには香港に帰るそうです。状況の好転を祈ります。

また、森作品を観て、メンバーに新たな発見があったか訊ねられた金森さんは「そんなにない。(森さんは)彼らの魅力を引き出して創作するスタイルをとった。しかし、私の方が彼らをよく知っているので」と答えました。

アフタートークからはもうひとつだけ。「金森さんと森さん、どちらが厳しいか」という会場からの質問を金森さん経由で突然ふられたのは鳥羽さん。少し困った様子で、「違った厳しさです」と答えて、会場から安堵の笑いを引き出していました。他にも興味深いやりとりも多かったのですが、ここではこのくらいにさせていただきます。悪しからずということで。

季節の「Farben」

Noismが彩った師走の新潟市、3日間。その「Farben(色)」は私たちのなかに取り込まれて、忘れ得ぬ鮮やかな思い出となりました。

そのなりゆきはひと月強の後、新年1月17日~19日のさいたま市に引き継がれます。ご覧になられる方々、驚く用意をしてお待ちください。

(shin)

「やはりか!」驚きの『Double Bill』新潟中日+サポーターズ交流会のことなど

2019年12月14日(土)の新潟市は、朝の好天がお昼前に一転、風雨吹きすさぶ荒れた天気となり、そのまま公演時間の17時を迎えることとなりました。それでもこの時期の新潟ですから、雪が降っていないだけましと思えば儲けものなのでしょうが、寒いものは寒い。特に風が冷たい夕方でした。

前日のレポで触れないでしまったホワイエの光景から書き始めます。今回の新潟公演では、主に県外からお越しの方々向けに新潟を楽しむための紹介資料と、サポーターズおよび「さわさわ会」が発行してきた紙媒体のバックナンバーとが並べられたコーナーが設けられ、多くの方々が興味深く足を止めて、気になったものをお持ち帰りになられていました。

新潟の資料コーナー
サポーターズ会報バックナンバーたち
こちらは「さわさわ会」のコーナー

他にも、今公演のNoism物販コーナーでは、新潟市・上古町のhickory03travelers(ヒッコリースリートラベラーズ)さんによる新潟土産や、新潟・市民映画館シネウインドさん発行で、森優貴さんへの取材記事を掲載した月刊ウインド12月号が販売されていますし、その傍らには、「新潟」繋がり&「ジョー」繋がり、阿賀町にて長期ロケを行って撮られたオダギリジョー監督の映画『ある船頭の話』(同シネウインドで年末・年始に上映予定。個人的にお薦めの作品です!)のポスターが、その鮮やかな「赤」でホワイエにもうひとつの「Farben(色)」を加えています。

Noismをきっかけに、新潟を多角的に楽しむことができたら嬉しく思います。そんな仕掛けの数々に、思わず頬が緩みました。

前置きが長くなってしまいました。ここからは新潟公演中日の公演レポです。先ず真っ先に書いておかなくてはならないのは、「えっ、マジ?」(驚き)が速攻「やはりか!」(納得)に転ずる金森作品『シネマトダンス』のことでしょう。公演期間中にあっても細かな変更・修正はつきものなのでしょうが、金森さんの場合、ラストを変更してくることがままあります。今回もそうでした。もう慣れっこになっている部分もあるのですが、やはり最初の受け止めは「えっ、マジ?」、そしてこれまでの経験から、間髪を置かず「やはりか!」となったような次第です。ラストが変更されたのは、「3つの小品」のうち、最初の『クロノスカイロス1』と金森さんのソロ『FratresII』のふたつ。初日ヴァージョンと中日ヴァージョン、その趣は異なります。果たして新潟楽日はどうなるのか?そうした意味からも目が離せなくなってしまう訳です。

休憩後の森作品『Farben』、情緒を揺さぶり続ける音楽、そのビートひとつひとつを動きとして可視化していく12の身体。動けば動くほどに、個々の身体がもつ「Farben(色)」が零れてきます。それを大らかに許容する作品にあって、舞踊家も伸びやかに映ります。この日は、ラスト、林田さんが舞台中央で繰り広げる圧巻の動きに見とれました。カーテンコール時に、先ず全員一列に並び、拍手・歓声・「ブラボー!」に応えたあと、列の両脇から、交互に一人ずつ、順に一歩前に進み出て一礼をするスタイルも、舞踊家一人ひとりの「Farben」を持ち味とする作品らしさであると感じます。「推しメン」に大きな拍手を贈ることが可能ですので、是非♪

この日のアフタートーク、金森さん、山田さん、そして直前に踊っていた井関さんが少し遅れて登壇しました。Noism0メンバー3人による気心知れたトークでありながら、それぞれの経験が語らせる「核心」をついた内容には深い世界を覗き見させるものがありました。

登壇してスカーフを直す井関さん

3人が話された内容から少しご紹介いたします。(ネタバレにならないギリギリのところで書きたいと思います。)

『クロノスカイロス1』のピンクの衣裳について、「テーマは時間。身体的に知覚可能な最速のものは光。照明は可視光線の色のレンジを使っている。そのなかで視認し易い色、追い易い色としてピンクを使った」(金森さん)

『夏の名残のバラ』に関しては、金森さんが「Noismの歴史は井関さんの身体に刻まれている。『いまも身体に残っている振付は?』と訊いて創っていった」と語れば、井関さんは「まず、舞台が広い。この作品のクリエーションが始まったのが一番最後だった。早く稽古したい気持ちだったが、振付家が『クリエーションを楽しみたい』と言って時間をかけた。(笑)お客さんが入って初めて完成する作品だと思う」と話してくれました。

『Fratres』IとII、そしてまだ見ぬIIIについて、3部作同時に上演することはあるかと問われた金森さん、「ありません」とキッパリ。その理由を、「I+IIが、IIIになるので、連続上演は不可能。観てもらえばわかります」と語りました。

その金森さん、今の身体の様子とそれに対する向き合い方を訊ねられて、「若い頃に比べて可動域は狭くなっているし、進化してはいない。しかし、経験と技術と精神コントロールを手にしている。日々の稽古を重ねて、若かりし頃に持っていたものを取り戻して、ここまで来た感じ。稽古しかない」との答えでした。

また、金森作品と森作品を踊った井関さん、最も大きな違いについては、「今回、身体性が違う」としながらも、「覚悟をもって舞台に立つのは同じ」と続けました。更に、森さんに関しては、「『森くん』とは同い年で、19歳のときにオランダのオーディション会場で出会っている。お互い群れるのを好まず、日本人がひとりずつぽつんといた印象がある。今回のクリエーションは、彼のエネルギーが凄くて、最初、体がボロボロになっちゃうくらいのところから始まったが、『負けるか!』みたいな気持ちで向かっていった。同時に、この年になると、振付家の意図を汲み取ることもできるので、言われたことをやるのではなく、一緒に作品を作っていることを感じられた」と語りました。

山田さんは一度Noismを離れて、東京に行った時期のことについて訊ねられると、Noismを外から見て相対化できたこと、また、その時期に武道家・日野晃氏に出会えたことが大きいと語り、Noismメソッドに戻って、身体のことがよくわかったと答えました。

あと、ニッチな答えにはなりますが、井関さんが今ハマっている人は美空ひばりさんで、「(存命中に)見てみたかったな」と。そして今回ある箇所の映像に映り込んだジョー マローン ロンドンの香水は「ピオニー&ブラッシュスエードです」とのことでした。

アフタートークのあと、会場をりゅーとぴあ内のレストラン・リバージュに移して、サポーターズ交流会が開催されました。

この日の参加者は、総勢20名。遠くは京都、そして東京や神奈川からお越しの方々、そして、前日、サポーターズに入会されたばかりの方を含めて、Noismを通じて知り合いになった者たちが、Noismを肴に、和気藹々、和やかにテーブルを囲み、おいしいお酒とお料理に舌鼓を打ちました。それに伴い、私たちの顔も徐々に視認し易い「ピンク」に染まっていきましたとさ。

仁多見・りゅーとぴあ支配人のご挨拶に手を挙げて応える参加者
何故かは…忘れました(笑)
こちら、この日のオードブルです♪

Noismの縁で素敵な繋がりが持てたこと、愉しい時間が過ごせたことに感謝です。

私たちサポーターズは一般市民に過ぎませんが、Noismを愛し、支える気概については、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなどを支えたメディチ家にも負けるものではないことを確認いたしました。(←大袈裟すぎないか?←大丈夫です!(笑))そんな具合で、Noismの魅力に触れたことのない方々への発信にも力を入れたいと思う宵でもありました。次回、また多くの方のご参加をお待ち申し上げます。

(shin)

「Noism Company Niigata」としての新たな船出♪『Double Bill』新潟初日

米国のスプラッター映画を思い浮かべたりするかもしれない、13日の金曜日ながら、2019年12月13日はNoism Company Niigata(新名称)にとっては、一切の禍々しさから遠く、晴れやかな船出の日。

Noism1+Noism0『森優貴/金森穣 Double Bill』初日のこの日、活動継続決定後初めての公演を観ようと、新潟市・りゅーとぴあの劇場に駆け付けた観客は、大小合わせて4つものバラエティに富む作品をそれぞれ心ゆくまで堪能しました。

公演は、金森さん振り付けの新作『シネマトダンス-3つの小品』(40分)から始まりました。

先ずは『クロノスカイロス1』、J.S.バッハのチェンバロ協奏曲ニ短調BWV1052第1楽章に乗って様々なピンクの上下がスポーティに躍動する「活きのいい」作品です。『R.O.O.M.』の発展形のような映像の仕掛けも効果的で、どこへ目をやろうか、誰を追いかけて観ようか、迷ってしまうほどで、とても一度では見尽くせはしないだろうと思われます。横溢する若さ。甘酸っぱいような時間。幕切れに至り、バッハの傍ら、個人的には松田聖子『蒼いフォトグラフ』や映画『ハチミツとクローバー』なども想起しました。みなさんはどうでしょうか。同時に、使用楽曲が3つの楽章からなる協奏曲の第1楽章であることから、器官としては、目というよりも耳が、この作品を正確に「発端」として捉えて、私たちはその後の「展開」(それがどのようなものであれ、)を待ち受けることになるでしょう。この作品が3つの小品で構成されることはもしかしたら必然なのかもしれません。

続く、井関さんと山田さんの『夏の名残のバラ』は一転して、枯葉に赤のドレスがひときわ美しい、ぐっと大人テイスト。井関さんが踊り、山田さんが絡む、変容するのみで、戻ることのない時間。立ち込める憂愁。哀切。加えて、大写しの映像ももうひとつの主役。『箱入り娘』、『ROMEO & JULIETS』に通じる映像は技巧を凝らしながらも、洗練の極みで、情緒を掻き立てずにはいません。

3つめは金森さんの渾身のソロに瞬きを忘れる『Fratres II』。前作『Fratres I』とは若干異なりながらも同様に黒い衣裳に身を包み、総身を捧げんとするかのようなソロを前にして、息をのむほかありません。厳かにして、観る者の魂を揺さぶる重量級の作品と言えます。

その後、20分の休憩を挟んで、森さん振付『Farben』(40分)。幕が上がると同時に目に飛び込んでくる舞台空間が一瞬にして観る者を捕らえて離さないでしょう。そこから始まって、私たちが目にしたのは、森さんという際立つ個性、そして作家性。Noismデビューとなるタイロンさん以外は、すべて見覚えのある舞踊家の面々だった訳ですが、先般の活動継続にあたり、「Noism以外の舞踊に触れる機会」の提供を求められるなか、Noismでありながら、従来のNoismらしさとは一線を画するような新たなNoismを見せる手に打って出るとは!振り付けた森さん、招請した金森さんともに見事な手捌きと言えるのではないでしょうか。

髪にチャーミングな赤色を入れて激しい動きを連発した池ヶ谷さん、井関さんとのデュエットで目を見張るほどのしっくり感を見せたジョフォアさん、そして井関さんと対になる(準)主役どころを笑顔で踊った鳥羽さん、ほかの全ての舞踊家に見せ場があり、ここに簡単に書き尽くせるものではありませんが、最も印象に残ったものをひとつ書き記しておきたいと思います。それもやはりこれまでのNoismでは目にしてこなかった類のもの、他のメンバーと混じり、中心を外れたところで群舞を踊る井関さんの姿でした。それはゲスト振付家ゆえに示し得た「one of them」の井関さん。異彩を放って止まない「one of them」ですが、「One Team」Noismの新たな在り様にも映るほどに、目に新鮮な光景でした。

『Farben』、情感たっぷりの音楽とそれに呼応する身体。ゲスト振付家としての「Farben(色)」が十二分に示された40分間、恍惚として見とれる客席。その愉悦。観終わったとき、「ブラボー!」の声がかかっていたのも至極当然でしかありません。

公演後、金森さんと森さんが登壇して行われたアフタートークからも少しだけご紹介いたします。「振り」のインスピレーションはどこから来るのか訊ねられた森さん、「ケース・バイ・ケースだけれど、音楽が引き金・きっかけとなることが多い。音が持っている『質』に直感的に体が反応するのだと思う。先ず2、3回聴いて、ひとつのイメージが見えるかどうか」とし、今回使用した楽曲は6曲、「いつか使おうとあっためていた」ものですべて初使用曲。作曲者はエツィオ・ボッソ(伊・3曲)、マックス・リヒター(独)、ブライス・デスナー(米)、そしてジュリア・ケント(加)と教えてくださいました。

また、Noismの印象について訊ねられると、森さんは「ほぼほぼ想定内だった。思想・信念・身体言語の訓練の点で一本筋が見える。それはゲスト振付家には有難いこと。欧州にいたときと同じように仕事ができるカンパニー。それが新潟にあることは日本の財産」と語りました。

活動継続なったNoismを観客はどう受け止めるのか、ホワイエに取材クルーの姿も目立った世界初演でしたが、ネタバレを避けるため、あまり細かくは書けませんでしたし、同時多発的に展開される動きも多く、まだまだ見落としていたりもしますしで、キチンと書けていないことだらけのレポートとなってしまっています。

今日、明日のチケットも好評発売中とのことですから、この傑出した舞台、是非、ご自分の目でご覧いただき、皆様からNoismの「第二章」を祝していただきたいと思います。

(shin)

公開リハB日程は金森さん『クロノスカイロス1』、疾走再び!

2019年12月5日(木)12:45のりゅーとぴあ・劇場、メディア各社も多数駆け付けるなか、B日程の公開リハーサルが行われました。劇場内へ進むより以前に、ホワイエから既に、各社ともリハ後の囲み取材を念頭に、予め機材を構える位置を想定して準備を進めているなど、これまでにないほどの念の入れように映りました。

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スタッフから場内へ促されるに際して、この日見せて貰えるのが、金森さんによる『シネマトダンス-3つの小品』のうち、Noism1出演の『クロノスカイロス1』と聞かされ、内心小躍りしたのは私だけではなかった筈です。先日の森さんの疾走する新作リハと併せて観ることが出来るのですから。

で、場内に入ると目に飛び込んで来たのは、濃淡はあるもののピンクで統一されたタイツ姿の舞踊家10人。

その10人、デジャヴかと見紛えるほどにこの日も疾走しているではありませんか。

バッハのチェンバロ協奏曲第1番ニ短調BWV1052。まずは林田さんとカイさん、そこに西澤さん、三好さん、鳥羽さん、チャーリーさん、スティーヴンさん、そして井本さん、池ヶ谷さん、ジョフォアさん。走って入ってきては踊って走り去る10人。挟まれた時間に示すソロ、デュオ、デュエットそして群舞のヴァリエイションが目を楽しませます。

この日は「映像、照明もなく、身体だけで、およそ3割~4割」(金森さん)とのこと。ラスト、音楽が止まったタイミングで、金森さんから「Are you alive?(どうだい、生きてるかい?)」と声がかかるほどの激しい「Run & Halt(駆け足と停止)」の連続。先週創作過程を見せていただいた森さんの『Farben』と併せて「ホントに大変そう!」とは思いましたが、彼らなら魅せてくれる筈、その確信に揺らぎはありません。そして、この2作、同じ「疾走」でも、その趣きやニュアンスなどを全く異にしていますから、楽しみで仕方ない訳です。

最後、金森さんからは走る姿勢やら、リフトの具合やら、ストップした際の頭の位置(向き)やら、主に英語で次々細かいチェックが入っていきました。動きの質がブラッシュアップされ、まだ見ぬ6割~7割が加わった「作品」は物凄いことになりそうです。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は DSC_1471-300x169.jpg です

リハーサルの後、金森さんと森さんの囲み取材が行われました。畢竟、質問は活動継続に絡むものが多くなりがちでしたが、金森さんは「作品を発表する際には、先を見据えようとするのではなしに、常にこれが最後の作品になってしまうかもしれないと思っている」など、特段それを誇大視することなく、作り手普遍の思いを語ることで応じているのが印象的でした。

そして自身の新作3つそれぞれについて、『クロノスカイロス1』は消えゆく時間、『夏の名残のバラ』は齢を重ねて、老いと向き合う舞踊家、『FratresII』は自己と向き合い、どれだけ闘い続けるかがテーマであると紹介してくれたうえで、『クロノスカイロス1』は個々の舞踊家による振付を基にNoismらしい集団性の表現を目指したものであると語り、また、『夏の名残のバラ』に関しては、井関さんが「新潟の舞踊家」として15年間積み重ねてきた踊りを観る醍醐味を味わって欲しいとの思いに力を込めました。

また、今回招聘した森さんに関しては、同世代のライバルとしながら、「凄くエモーショナル。音楽が持つエモーションが森さんのなかで増幅されていく。彼の良さとして。端的に言えば金森穣とは違う。その違いを感じて欲しい」と語りました。

8年振りにゲスト振付家を招き、今までにない映像の使い方をしている等々、これまで観たことのないNoismが見られる、「Noism第二章」にふさわしい新作公演として、クリエイションも最終盤に差し掛かっている様子が和やかなうちに語られました。

新潟公演、埼玉公演ともにチケット好評発売中。また、新潟公演中日12月14日(土)の終演後にはサポーターズの交流会も開催致します。そちらもふるってご参加ください。

(shin)

A日程の公開リハーサルは疾走する森優貴さん『Farben』♪

前日の朝、白いものもちらついた新潟市中央区でしたが、霜月晦日は時折、薄日も射す曇天。そんな2019年11月30日(土)12時30分、りゅーとぴあ・スタジオBに活動支援会員対象の公開リハーサル(A日程)を観に行ってきました。

この日、見せていただいたのはDouble Bill公演の演目のうち、森優貴さんによる『Farben』から、主にscene 4とそこに繋がるscene 3とのことでした。

「私がダンスを始めた頃」⑫⑬でご紹介した初お目見えのタイロンさん、そして「I❤BRIT」Tシャツを着たスティーヴンさんを含むNoism1メンバーに、Noism0所属となった井関さんも出演する作品を、森さんの指示のもと稽古している、まさにその現場に居合わせるレアな機会でした。

先ず、全メンバー出演(?)のscene 4から。ピアノと弦による楽の音。前景で池ヶ谷さんとタイロンさんが踊るパートから始まり、やがて池ヶ谷さんと井本さんのデュオへ。更に、様々な小道具も数多く登場するなか、刻々とその「中心」を入れ替えながら、徐々にフォーカスは鳥羽さんへと移行していきました。走る鳥羽さん。この部分、森さんは「様々な記憶の断片」「色彩が立ち現れてくる」「ノスタルジー」などの言葉でイメージを語ってくれました。

そしてそれに先行するscene 3。ここは主に井関さんとジョフォアさんのデュエットが中心となるらしく、その背景に鳥羽さんがいるもののようでした。

観た印象を一言で表現するならば、疾走となるでしょうか。フロア狭しと動き、否、走り回るメンバーたち。相当な運動量に滴り落ちる汗。

○○さん、○○ちゃんなど、親しみの感じられる呼び方もする森さんとそう呼ばれる舞踊家たち。両者によって、この日に至るまでに既にあらかた共有されていた作品の「祖型」。それが傍らで自らも動いて示す森さんの身体と、その都度細かく出される関西弁と英語を使った指示で、次々に書き換えられ、更新されていきました。

「最適解」を模索して、やりとりしながら、随所に新たな動きを試してみたりすることも含めて、その様子はあたかも素描に次々、「色(Farben)」が足され、作品全体が彩られていくかのように感じられる光景で、実際、森さんも「It got much better! Much more colorful!(ずっと良くなった!色彩豊かになった!)」と言葉かけを行っていました。

更に言えば、これまでNoismでは目にしたことのないような動きも多く、作品の枠を越えて、舞踊家たちに「色(Farben)」が加えられていくことになるのだろうことも確信されました。その意味では「新生Noism」にふさわしい公演になること請け合いです。

予定された公開時間を5分ほど超過した頃、熱の入った稽古がちょうど一段落を迎え、そこで初めて時間に気付いた森さん、「誰も止めてくれなかったから」。そのタイミングでこの日初めて姿を見せた金森さんに「止めないからさ」と混ぜ返されて、公開リハーサルは終了しました。

来週12月5日には劇場での公開リハーサル(B日程)もありますし、世界初演となる公演まで2週間を切りました。グレー、或いは白といった単色の新潟に、一足早いクリスマスツリーのように、鮮やかな「色(Farben)」を重ねる新作公演のチケットは只今、好評発売中。どんな色に染め上げてくれるのか、その日が待ち遠しい限りです♪

(shin)

私がダンスを始めた頃⑬ スティーヴン・クィルダン

ダンスをした最初の記憶はまだ幼い子どもだった頃、映画のエンドクレジットで流れる音楽に合わせて踊ったこと。それは毎度繰り返されることになり、目にした人はさぞ驚いたことでしょう。

それで母が私を地元のストリートダンスのクラスに入れてくれたのでした。というのも、踊ってはいたものの、リズムをとれてはいなかったからです。

中等教育学校(secondary school)に通っていたときは、生徒たちのダンスグループに入り、よく校内でパフォーマンスをしたりしたものでした。放課後、独学でダンスを学んでいた私たちですが、相談に乗ってくれる助言者もいました。私たち4人のうち3人が後にプロのダンサーになりました。驚くべきことに、最初ただ情熱で動くだけだった私たちが、その情熱を持ち続けることで夢を叶えるに至った訳です。当時、私たちのうちの誰もプロになることなど考えてはいなかったと思います。私たちはそんな選択肢があることを知らなかったからです。

その後、私はバレエを始めました。15歳のときです。それはそれは遅いスタートでしたから、とても難しいものがありました。しかし私はたくさんのことを学び、懸命に練習をしました。

それでもBRIT Schoolに入るまではプロになろうなどと考えたことはありませんでした。このスクールはロンドンにある無償のパフォーミングアーツの学校で、卒業生にはアデル(歌手:1988~)、エイミー・ワインハウス(シンガーソングライター:1983~2011)、ジェシー・J(シンガーソングライター:1988~)たちがいます。そこはまるで映画『フェーム』のようなところでした。

そしてなんとか同じロンドンにあるRambert School of Ballet and Contemporary Danceに入って、その後はご存知の通りです。

プロのダンス・アーティストになって以来、私は多くの信じられないような体験をしてきました。今に至るまで私の可能性を信じてくれた先生たちや人々に心から感謝します。この度、Noism1に加わることによって、私が多くを学べるだけでなく、私のダンスへの情熱を観客の皆さんと分かち合うことができればと思います。皆さんが私のパフォーマンスに反応してくれて、「何か(something)」を感じて貰えることを願っています。

(日本語訳:shin)

以下はスティーヴンさんが書いた元原稿(英語)です。併せてご覧ください。

Stephen Quildan

My first memory of dancing was as a small child dancing to the music at during the end credits of films. It would always happen and people would be so surprised.

My mother then decided to enroll me in local street dance classes because even though I was dancing, I had no rhythm.

When I was in secondary school I joined a group of students who had their own dance group and we used to make performances for the school. We taught ourselves after school and had a mentor who guided us. Out of the 4 of us, 3 became professional dancers. For me what is amazing is seeing that we were simply passionate first and that allowed us to achieve dreams. I do not think any of us were thinking about being professionals at the time, we did not know that it was an option.

After that I began ballet, when was I 15 years old. This is very late to begin so I found it very difficult but I studied a lot and worked hard.

I did not really think about becoming professional until I first got into the BRIT School, which is a free performing arts school in London. Previous alumni included Adele, Amy Winehouse and Jessie J. It was almost like the film ‘Fame’.

After that I managed to get in to the Rambert School of Ballet and Contemporary Dance, also in London, and the rest is history as they say.

Since becoming a professional dance artist, I have had many incredible experiences. I am extremely grateful to all of my teachers and people that have believed in me along the way. I hope that by joining Noism1 I can learn a lot but also share with the audiences my passion for dance. I hope that they will respond well to my performances and get something from them.

(1993年イギリス生まれ)

新潟日報「窓」欄掲載『ノイズム追い掛ける幸せ』(+鳥取行・補遺)

本日(2019/11/23・日)の新潟日報朝刊「窓」欄に、Noism1『Mirroring Memories -それは尊き光のごとく』鳥取公演を観に行った際の思い出を綴った拙文を掲載していただきました。(因みに投稿時の原題は『ノイズム追いかけ、車で鳥取』。)鳥取での画像ともどもアップ致します。お目汚しかと存じますが、お読みいただければ幸いです。

また、こちら(11/10の記事)もどうぞ併せてお読みください。

素ラーメン(スラーメン)その1
(武蔵屋食堂)
素ラーメン(スラーメン)その2
(居酒屋・小次郎)
名物(とうふちくわ、砂たまご)
と地ビールの夜
すげ笠御膳(鹿野町・夢こみち)
足湯付きバス停♪
(鹿野町・国民宿舎「山紫苑」前)
公演時間までゆったり過ごしたが、
バス停ながら時計は止まったまま…(汗)
バス停付き足湯なのか?(笑)

今は鳥取駅の反対側に
スタバもできてましたけど、
「鳥取」ゆえに先ずはこちらへ(笑)
「砂場」ならぬ砂丘、風紋、足跡、影…

今は「よく行ってこられたなぁ」とも思いますが、ハンドルを握っている間は不思議にハイテンションで、「なんとかなっちゃった」感じです。Noismを観るためならどこまでも運転できるのか、私?(←本当か?(笑))

極私的なゆる~い記事になりました。最後までお付き合いいただき、有難うございました。m(_ _)m

(shin)

和気藹々、全員が喜色満面の井関さんお誕生会(さわさわ会懇親会)♪

今回で6回目となる井関さんのお誕生会(さわさわ会懇親会)が2019年11月16日(土)、新潟市中央区・燕三条イタイリアンBitを会場に開かれました。出席者は井関さんと金森さんを含めて26名。今年も美味しいお料理を囲みながら、和気藹々、笑顔と歓談する楽し気な声がいつ果てることなく続く、それはそれは楽しい宴となりました。

殊に今年はNoism継続問題も片付き、同時にNoism0が始動するなど、嬉しいニュースも重なり、参加された皆さんは一人残らず、喜色満面。心置きなく、お祝いモード全開といった風情でした。

外は雨がそぼ降る新潟市でしたが、この店内は別世界。年に一回、今年も井関さんのお誕生日をお祝いしながら、全員が幸福感に満たされるという贅沢で、得難い時間を過ごしました。

予定時間を延長したお祝い会の最後は、井関さん、金森さんを交えての大撮影大会。おふたりとフレームに納まるのはどれもいい笑顔ばかりでした。「いいな♪」と思われた向きは是非ともさわさわ会にご入会いただき、来年のこの会にご一緒しませんか。素敵な時間が過ごせること請け合いですよ。

(shin)