来年9月からの5年間の新活動体制では、これまで活動評価で課題とされてきた「市民還元」部分への積極的なテコ入れが感じられる「2本の柱」が設けられるものとなりました。新レジデンシャル制度の初代「芸術監督」=「Noism Company Niigata 芸術総監督(金森さん)」の下、「国際活動部門芸術監督(井関さん)」と「地域活動部門芸術監督(山田さん)」を置く体制です。
新潟市とNoismの今後はどうなっていくのか。図らずも、この日の簡潔すぎる2段組の記事の直上には、新潟名誉市民である文化人・會津八一揮毫の「新潟」という題字があり、左隣には「こだわりや熱意などは見えにくい」と評される中原八一市政に関する記事が配されているのが何とも皮肉と言えば皮肉かと。ふたりの「八一」。文化と行政、そして文化行政の在り方に関して、一地方都市・新潟市の舵取りに、全国はおろか、世界中の関心の目が注がれていると言っても過言ではない状況です。’Art is long, life is short.’ 「眼前の対応に追われる」姿勢では文化は育たないことは自明です。
今、先の見えない時代にあって、ここですぐに「11年目以降」の将来の安心など得られないとするなら、この1年、そして次の1年、更にその次も、とそんな具合に、Noism Company Niigata と新潟市民の蜜月を形作ろうとするベクトル、或いはサポートこそが求められているのだろうと思うものです。鑑賞は支援と同義です。是非とも、公演会場で一緒に心を震わせましょう。私たちには金森さんとNoismが必要なのですから。